ひなび舎だより　～たねとり農家のひなびた暮らし

今年の大相撲を振り返ってみましょう。
「白鵬、優勝回数３２回達成、大鵬に並ぶ」
「鶴竜、横綱昇進」
「豪栄道、大関昇進」
「逸ノ城、新入幕１３勝快進撃」
「旭天鵬、４０歳で幕内勝ち越し」
「遠藤人気で相撲人気復活」
目立ったところで思いつくのはこんなところでしょうか？
他にも、「苦労人栃ノ心の健闘」
「またも優勝に届かなかった稀勢の里」（でも内容は一番！）
などなどいろいろ出てきそうです。

有望な若手力士が台頭してきましたね。
遠藤、逸ノ城、照ノ富士。碧山も三役が板についてきました。
大砂嵐は･･･うーん・・・どうかな？
遠藤もこの先ずっとこんな大きな相手と
やりあっていかなくてはならないんですよね、大変だなぁ･･･。
逸ノ城は入幕２場所目の新関脇で勝ち越し、
というのもかなり凄い事でしたね。

今年のわたしのベストの一番は、
やっぱり秋場所１４日目の「白鵬 逸ノ城」ですね。
朝起きて、嗚呼今日は大一番があるなぁ、楽しみだな、
と思いながら一日を過ごして、夕方だんだんドキドキしてきて、
ついにその時、両者の立ち合いの一瞬を迎えるあの気持ち、
相撲の醍醐味を堪能することが出来ました。
横綱の圧勝でしたが、内容も濃く、
逸ノ城に力を出させない体勢をすばやくつくる白鵬が負けるわけがない、
というような完璧な横綱相撲というのを見ました。
わたしもあの一番の後の数日間は、
圧倒的なパワーとスピードで襲ってくる夏の雑草に対して、
どうすればあのような相撲が取れるのかずっと考えていました。

ほかに印象的だったのは、名古屋場所の豪栄道です。
強かったですね。
秋、九州とイマイチでしたが、名古屋場所のように爆発したときは、
いよいよ日本人力士が優勝する日が来るのではないでしょうか？
豪栄道しかいません、３月の大阪場所で大暴れしてほしいです。
わたしの大好きな勢もね。

稀勢の里は駆け引きなし、立ち合いの変化なし、小細工なしの
あの正直すぎる相撲で優勝したら、いきなり大横綱だと思います。
品格は抜群ですね。いつも素晴らしい内容。もちろん応援しています。

そして一番心に残り、嬉しかったのは、
大相撲人気がまた盛り上がってきたことですね。

大相撲が盛り上がってくることで、
例えば嘉風のような個性的でいい相撲をとる力士が光ってきますよね。
嘉風のような小兵力士の相撲を観ながら、
大型機械などを持っていない自分の経営を照らし合わせてよく考えたりします。
力士は自分の身体に合わせた相撲を取って、
その取り口とぴったり一致してくるほど強いと思います。
なので自分はスピードと小技をいかにして磨いて行ったらよいか、
などと考えています。

それにしても八百長問題などいろいろあったし、
正直に言うともう大相撲の人気復活は無いかなぁ、
などと思っていました。
これはやっぱり遠藤ですね。
わたしのなかの今年のMVPは遠藤関です。

この世の中というのはじつに浮き沈みのあるものですね。
もし今年は良くなかったことがあっても、
来年良くなっているかもしれない。
相撲には人生が詰まってますねぇ。

来年も大相撲が楽しめるような、よい一年でありますように。
よいお年を！


by鄙侘助