ひなび舎だより　～たねとり農家のひなびた暮らし

「ボインの誘惑に出来心
　三年二ヶ月のいわゆる･･･」
などと歌いながら
畑から家に戻ってくると
玄関になにやら奇妙な虫が這っている。


この虫は、あれかな？
地獄の仕事をちょっと一休みしてるのか？
こんな風にのんきに移動してるのを
初めて見た。

「蟻地獄」と聞くと
いかにも恐いけど
こんな姿は結構間抜けで愛らしい。

学生時代に
ずっと顎ひげをはやして
サングラスを外さなかった人がいて
こわもてで
われわれの友人の間では
「あいつの言うことは聞いとけ」
みたいに
一目置かれてたのだけど、

４回生になって
就職活動ということで
髭をそって
普通の眼鏡になったら
コアラのような顔であったことが露呈され
あっけなく凋落していった人を
思い出してしまった。


まぁいいや、
わたしも、この虫も
あっという間の儚い人生、
精一杯生きるのだ。

ひとつだけ思うのは、

「お金なんかはちょっとでいいのだ」。