プロフィール
ひなびや
ひなびや
固定種、自家採種の野菜の販売をしています。
京都の農業法人に5年勤め(夫)、2010年より新城にて夫婦ふたりの自営農業を始めました。
在来種や日本各地の伝統野菜を含めた固定種を、できるだけ自家採種をし、農薬、化成肥料は使わず、少量多品目でいろいろ作っています。
有機肥料を含めた肥料分にもあまり頼らず、ゆっくり時間をかけて栽培しています。
Eメール:info@hinabiya.com
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2015年06月08日

バラ色の人生

今年の田植えとその補植が終わった。
あとは無事に根付いてくれるか、
というところである。

以前はトラクターを近所の方にお借りして
荒起こしから代かきまでやっていたのだけど、
おととしから
自前の6馬力の歩行式の耕運機で
その辺の作業をするようになった。

結構これが身体に応える、
この時期の大きな山であった。
極度の肩こりを引き起こしてくれるのである。
そんな時に奥さんに肩を揉んでもらうと、
こう頭のてっぺんに電気が突き抜けるようなツボがありますよね。
そこまで行くとなんかこう危険なサインを感じますよね。
無理せず行きましょう。

代かきの最後の仕上げに
細めの丸太を耕運機にひもでくくりつけて引っ張って歩き、
『巨人の星』のいわゆる「重いこんだら」をして表面を平らに慣らすのは、
ちょっと恥ずかしいのであったが、
まぁとにかく田植えが終わってひと段落。

でも三年この方トラクターに乗ってないので
運転の仕方を忘れてしまいそうである。
バラ色の人生


思えば何年か前に京都でも代かきをやっていたら
走ってきた軽トラが田んぼの前で停まったので、
(?)
と思ってみたら、農家のおじさんが
立っていた。

「そうやない、ブレーキをこう踏むんや!」
トラクターのブレーキは、
田畑の中では止め具を外し、
左右に分かれる。
右をぎゅっと踏み込めば右に急旋回するし、
左も同様である。

「もっと踏むんや、こうや、わしの足見てみい!」
おじさんは話し出すやいなや、いきなり激昂し始めた。

軽トラが停まって、
激昂し始めるまで二分もかかっていない。
とにかく速かった。

昭和の大横綱・千代の富士の
左前ミツを取って一気に出る速攻相撲を想起させるほど
おじさんが激昂するのは速かった。

「こうや!こう踏め!」
この状況で非常に気まずいことに、
おじさんのズボンのファスナーは、
全開だった。

「わしの足のさばきをよう見てみいって!」
おじさんの足さばきを直視しなければ
さらにこの激昂はエスカレートするし、
しかし直視すればするほど、
おじさんの開いたチャックは目に飛び込んでくる。

ここで、
「すいません、指導はありがたいのですが、チャックが開いています。」と
話を切り出す勇気もなかった。

おじさんのチャックは
まるで黄泉の国の入り口のようであった。
おじさんの激昂する声が黄泉の国からの声のように
チャックから発せられ、
夕暮れの田植え前の田んぼに響いていた。

「こうや!わしの足をよう見るんや!」

見せたいのか?
疲労しながら
終いには
そう思っていた。


いつかまたトラクターに乗るときに
思い出すであろう、

おじさんの足さばきと


全開のチャックを。













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Posted by ひなびや at 23:21
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