プロフィール
ひなびや
ひなびや
固定種、自家採種の野菜の販売をしています。
京都の農業法人に5年勤め(夫)、2010年より新城にて夫婦ふたりの自営農業を始めました。
在来種や日本各地の伝統野菜を含めた固定種を、できるだけ自家採種をし、農薬、化成肥料は使わず、少量多品目でいろいろ作っています。
有機肥料を含めた肥料分にもあまり頼らず、ゆっくり時間をかけて栽培しています。
Eメール:info@hinabiya.com
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2015年02月10日

日本語って、むつかしい。

「愛はかげろう つかの間の命
 激しいまでに 燃やし続けて・・・」

寒い如月の北風に吹かれながら
いつか幼き日に聴いた覚えのある歌を
口ずさんだ。

昨今のニュースを聴きながら
たったの一言言い過ぎたぐらいで
なにも寄ってたかって叩かなくてもいいのに、
と思っていた。
日本語は難しいのだ、
誰にだって間違いはある。
ましてやモンゴル人なんだから。
しかし、愛も、平和も、儚きものだ・・・・。
わたしは、若き日の寒き出来事を思い出し、
そのために体感温度を、
五℃ほど、
下げた。

あれはまだわたしが二十代のころ、
大阪でガーデニング関係のアルバイトをしていたときだった。

平日の休みの日の午前中に散髪をして帰ってくると、
店長からの電話が鳴った。

今度の求人広告のことで、
明日アルバイト雑誌が来て、
写真付の記事を書いてもらうのだが、
一応ラモ君がバイトのなかで一番古株だから、
明日の取材はおまえに任すぞ。
というものであった。

電話を切った後
「しまった・・・」と思った通り、
次の日の朝、仕事場は笑いに包まれた。
「ラモ君、気合い入れすぎ!」
「違う・・・違うんです・・・。」

しかし、これはほんの悲劇の序曲にすぎなかったのである。

一週間後に雑誌は出来上がってきた。
記者に「僕は・・・・・です。」と答えていたわたしの記事は
「オレ・・・・・なんだよね。」という口調に変わっていたのである。

そしてそれは、「仲間になろうぜ。」という
言った覚えのない言葉で締めくくられていたのであった。

仲間に・・・なろうぜ・・・・。
内気なわたしが発するはずのないこの一言は、
当時のなかまうちでセンセーショナルなブームを巻き起こした。

飲み屋に行って
わたしがさえないジョークを飛ばすたびに
「あかんわ、ラモちゃん、そんなんでは『仲間』は出来へんな。」
 わははは・・・
と突っこまれるのがオチであった。


結局、開きなおったわたしは、
昔の二枚目俳優が
サングラスをパッと斜め前方にはずして
「お前を抱きしめたい。」
というようなキザなセリフをキメるように、


近眼のメガネを
パッと斜め前方にはずし、

「仲間になろうぜ。」

とセリフをキメて
せまい内輪のなかでウケをねらうだけの
ただのうらぶれた男に
凋落していったのであった・・・。


にほんご、って
ほんとに
むずかしい。






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Posted by ひなびや at 21:08
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