2015年06月19日
グレート・ウォール
梅雨らしい天気が続いていますね。
でも暑かったり、時に肌寒かったりで、
体調を崩さないように気をつけたいものです。
梅干しがいいですね、
じめじめした天気のときはこれが効きますね。
さて、田んぼも稲はゆっくりと今のところ元気に育っています。
稲が田んぼにいる間は毎日毎日様子を見に行きます。
この時期は水が保たれているかを一番気にして行きます。
急に水が減っていたらどこか漏れているので
すぐに直します。
だいたい、あの辺りが、と予測はつくのですが、
初めて田んぼをした年はうろたえて大変でした。
あの日、早朝、田んぼを見に行くと
見事に水が抜けていた。
わたしは焦り、
畦から水路から、
水が漏れているところを
必死に探していた。
「BEIJING」とマークの入った、
長靴に水がしみてくる。
長靴もすぐに穴が開く。
近くのホームセンターの
一番安い長靴だったのでしかたがなかった。
「おーい、何してんねん!」
軽トラがとまり、
おじさんがこっちに向かってくる。
まだ朝の霧が立ちこめているような時間だが、
すでに激昂していた。
「もっとよう探さんかい!」
足元を見ると
おじさんの長靴には
「GREAT WALL」とマークが入っていた。
(万里の・・・長城・・・。)
おじさんの長靴は
わたしの安物とは格が違うことを見せつけていた。
水路のほとりで仁王立ちし
激昂するおじさんを、
眩いばかりの昇ってきた朝日の光が照らし、
光はおじさんの身体に当たり、
霧の中に弾け飛び、
はちきれんばかりにおじさんの影を
何倍にも巨大に拡げ水面に映し出した。
おじさんのズボンのチャックが今日も全開だったら
早朝から大変な事態になっていたかもしれないと想像し
安堵したわたしは身を震わせた。
「オレは万里の長城、絶対に超えられない!」
激昂しながらおじさんは
まるで天にむかって吼えているようだった。
「あった!ここや!」
おじさんが足を踏み入れた水路は
深くぬかるんでいた。
「ああっ!!」
万里の長城は
あっけなく水浸しになってしまった。
(ウケたい・・・のか・・・?)
長靴を脱ぎ、ぬれた靴下をしぼる
いまや凋落したおじさんを、
わたしは
チンギスカンのような
冷酷な目で
眺めていた。
でも暑かったり、時に肌寒かったりで、
体調を崩さないように気をつけたいものです。
梅干しがいいですね、
じめじめした天気のときはこれが効きますね。
さて、田んぼも稲はゆっくりと今のところ元気に育っています。
稲が田んぼにいる間は毎日毎日様子を見に行きます。
この時期は水が保たれているかを一番気にして行きます。
急に水が減っていたらどこか漏れているので
すぐに直します。
だいたい、あの辺りが、と予測はつくのですが、
初めて田んぼをした年はうろたえて大変でした。
あの日、早朝、田んぼを見に行くと
見事に水が抜けていた。
わたしは焦り、
畦から水路から、
水が漏れているところを
必死に探していた。
「BEIJING」とマークの入った、
長靴に水がしみてくる。
長靴もすぐに穴が開く。
近くのホームセンターの
一番安い長靴だったのでしかたがなかった。
「おーい、何してんねん!」
軽トラがとまり、
おじさんがこっちに向かってくる。
まだ朝の霧が立ちこめているような時間だが、
すでに激昂していた。
「もっとよう探さんかい!」
足元を見ると
おじさんの長靴には
「GREAT WALL」とマークが入っていた。
(万里の・・・長城・・・。)
おじさんの長靴は
わたしの安物とは格が違うことを見せつけていた。
水路のほとりで仁王立ちし
激昂するおじさんを、
眩いばかりの昇ってきた朝日の光が照らし、
光はおじさんの身体に当たり、
霧の中に弾け飛び、
はちきれんばかりにおじさんの影を
何倍にも巨大に拡げ水面に映し出した。
おじさんのズボンのチャックが今日も全開だったら
早朝から大変な事態になっていたかもしれないと想像し
安堵したわたしは身を震わせた。
「オレは万里の長城、絶対に超えられない!」
激昂しながらおじさんは
まるで天にむかって吼えているようだった。
「あった!ここや!」
おじさんが足を踏み入れた水路は
深くぬかるんでいた。
「ああっ!!」
万里の長城は
あっけなく水浸しになってしまった。
(ウケたい・・・のか・・・?)
長靴を脱ぎ、ぬれた靴下をしぼる
いまや凋落したおじさんを、
わたしは
チンギスカンのような
冷酷な目で
眺めていた。